創業万延元年 松の司

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松の司の「現在」

例えてみました。vol.2《黒はビル・エヴァンス》

2022-03-04

こんにちは、蔵人の原です。

このブログは、蔵できき酒をしながら「これって〇〇で言うたら△△みたいな」と話しをする感覚でウチの商品たちをご紹介できたらというものです。

今回も僕の独断と偏見で、ある商品を趣味のジャズで例えてみたいと思います。ウチの商品たちがそれぞれどんな感じかを知ってもらうきっかけになれば幸いです。


今回例えて見るのは『純米大吟醸 黒』です。

商品説明に《長年培った吟醸造りの粋を集め、心を尽くして醸された『松の司』ハイクラスの顔となるお酒です。》とあるこの『黒』をジャズで言うたら『ビル・エヴァンス』だな思います。

ジャズ界のパイオニア

 おそらく日本人から最も好かれているジャズピアニストと言っても過言ではないビル・エヴァンス(1929〜1980年)は、叙情的なタッチ、総意に富んだアレンジとハーモニーでモダンジャズ界に大きな影響を与えたパイオニアです。


出典:UNIVERSAL MUSIC JAPAN

しかしながら僕は最近まであまり好みではなかったんですね。ジャズを聴き始めてから5年ほどになりますが、どちらかというと粘り気があって熱量の高いブラックなノリを好んで聴いていたこともあり、耽美的で静かな彼のプレイがいまいちピンとこなかったんです。

静かな中の情熱

そんな中、お店で中古レコードをあさっていたとき、たまたまビル・エヴァンスの超名盤『Walz for Debby』の新品(再販盤)に出会いました。サブスクでは聴いたことがありましたが、新品のジャズレコード聴いてみたさに買って帰り、盤に針を落として最初に鳴りはじめた曲が『My Foolish Heat』・・・完全にやられました。気がつけば「あぁ、すごい」と言っていました。


出典:UNIVERSAL MUSIC JAPAN

 静かな中の情熱と言いますか、それまでには感じられなかったものすごい熱量を感じたのです。確固たる意志で選んでいるように感じる硬質で少ない音。甘さと緊張感。そしてこの『My Foolish Heat』と似たものを『黒』にも感じます。

耽美的な酒

決して派手さはないけれど、雑味がなく酒の味への期待感をくすぐる上品で落ち着いた香り。蜜のような丸くなめらかな甘さを感じるのに硬質で凛とした透明感やキレも同時に感じる味わい。静かな中にピンと張った、造り手の意志のような《芯》を感じさせる耽美的な酒が『黒』だと思います。


出典:UNIVERSAL MUSIC JAPAN
〈キリッと冷やして飲むとこのアルバムの『Bleu in Green』のような硬質感。〉

分かりやすくはないですが、心静かにゆっくりとその味わいに浸れば、深淵な日本酒の良さが感じられることでしょう。

ということで今回は『黒』をジャズで言うたら『ビル・エヴァンス』でした。

あくまで個人的な感想ですので、どうかお手柔らかに。

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