2021-05-25
松の司にゆかりのある方々に手紙を送り、その方の今観たい聴きたいものを紹介してもらいながら、それと一緒に呑みたい松の司商品を教えていただく『with Matsunotsukasa』。手紙のやりとりをご覧いただきながら松の司を楽しむ参考にしてもらえたらと思います。
担当は原です。
第三回目のテーマは『漫画』
お相手は当蔵のWebサイトなどをデザイン・制作していただいている「AMATA」の安藤 克也さんです。
日本酒とあんこ、そして漫画をこよなく愛する安藤さんに今回のテーマで話をうかがってみたいと思い手紙を書きました。
安藤さんへの手紙 >>>
拝啓
いつも松の司の販売促進やブランディングにお力添えをいただきありがとうございます。
いまだ今期の酒造りは続いていますが気がつけば4月目前、春を感じる日和となってまいりました。普段ならこの季節はたくさんの人たちの新生活をスタートするムードの只中ですが、依然コロナ禍、肌に感じるその空気感も今ひとつ乏しいですね。
そんな時節柄おうち時間の多い中、身近では四十路を越えてから漫画にハマる人も現れました。酒呑みで漫画好きの僕としては、ステイホームでお気に入りの漫画に浸りながら好きな酒を飲むことは大きな楽しみのひとつです。まぁ、コロナに始まったことではありませんが・・・。
そこで、よく漫画の推薦図書を紹介してくれる安藤さんにこんな春におすすめの漫画を是非伺いたいなと思い手紙を送らせていただきました。ひとつだけじゃなくて、いくつかの作品でも作者でも構いません。
そしてその(それらの)作品を読みながら松の司のどの商品を呑みたいかも教えてほしいです。少し寂しいこの春の楽しみにどうぞよろしくお願い致します。
敬具
松瀬酒造株式会社 原 一成
>>> 安藤さんからの手紙
このたびは「マンガとお酒」という難しくも楽しいテーマでお手紙くださりありがとうございます。無数の組み合わせが考えられる中、悩みに悩みましたが、直感的に「これ」と浮かんだ2作品を紹介させてください。
まずは「よつばと!」。
主人公よつばの日常を描いた作品です。特別なことは起こりません。それなのに原を、いや腹を抱えて笑えます。そして同じだけ泣けます。悪い人は登場しません。善悪のつかない子どもの純粋な態度や発言に対する周りの大人たちの対応がひとり残らずやさしい。そう、やさしいマンガなのです。ゆっくり流れる時間が、忙しい現代人を人間本来のスピードに戻してくれる、日常を鮮やかに照らしてくれる、そんな作品です。
もうひとつは「まどろみバーメイド」。
出典:漫画の殿堂・芳文社
屋台バー“サテライト”を営む女性バーテンダーが主人公の作品。とにかく線がきれい。絵のきれいさで飲めてしまいます。登場するカクテルはどれも美味しそうで飲みたくなるし、作ってみたくもなります。中でも主人公「月川雪」が作るカクテルは斬新で、「燻し醤油」「和栗ペースト」「ワサビ」などなど、意外性のある素材を取り入れつつも、裏付けがしっかりあって説得力ある一杯に仕上げている。カクテルもデザインだなと勉強になります。ストーリーはバーテンダー業界の現状もきっちり扱っていて、知らない世界のことを知れるのも良いです。
さて、そんなマンガと供にしたい松の司。これはこれで悩みましたが、結局はこれですね。「松の司 生酛純米酒」。
永遠の僕の定番です。まずは50℃まで温めて、マンガを読みふけっている間に燗冷ましになったのをもうひとくち。至福の時間です。
強いて言えば、生酛特有の乳酸と物語の甘酸っぱさがよく似合う、でしょうか。はい、こじつけです。こじつけでいいんです。マンガもお酒も、頭だけで楽しんでは勿体ないですから。
AMATA 安藤 克也
安藤さんおすすめの漫画みなさんはご存知でしたか?僕は2作品とも読んだことが無かったので早速試し読みしてみました。「よつばと!」は素直に気持ちをゆるめてずっと読んでいられる話たち。「まどろみバーメイド」は絵のきれいさや表紙の印象から良い意味で裏切られるピシッと筋の通った人間模様が読ませてくれます。どちらもちょうど良い距離感でその世界に浸りながらお酒を飲める面白い作品ですね。
手紙を送った春から少し季節がすすんでしまいましたが、初夏の今をやさしく包んでくれる作品とお燗の「生酛純米酒」でみなさんも心地良いおうち時間をお過ごしください。
安藤さん、ありがとうございました。
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