創業万延元年 松の司

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松の司の「現在」

『with Matsunotsukasa』〜と酒を楽しむ No.5

2021-11-13

松の司にゆかりのある方々に手紙を送り、その方の今観たい聴きたいものを紹介してもらいながら、それと一緒に呑みたい松の司商品を教えていただく『with Matsunotsukasa』。手紙のやりとりをご覧いただきながら松の司を楽しむ参考にしてもらえたらと思います。

担当は原です。


第五回目のテーマは『絵本』
お相手は建築士事務所Space Clipの岡田 良子さんです。
前回の香澄さんと同じく、はせがわ酒店さんのPB商品「純米大吟醸 AIYAMA21」のパッケージ製作でご一緒した岡田先生に手紙を書きました。なぜ建築士の岡田先生に『絵本』なのか?そこも含めてお楽しみください。

 岡田先生への手紙 >>>

拝啓
朝夕に寒さを感じるようになり、秋の終わりが近づいているこの頃ですが、お元気にされていますでしょうか?

その節は「AIYAMA21」のラベル・パッケージ製作で大変お世話になりました。とても美しく魅力的なパッケージデザインにまとめていただき本当にありがとうございます。印刷方法なども含め、チャレンジングで思い出深い商品になりました。

ところで岡田先生の建築事務所は《建築家のための本屋さん》と題した“大喜書店”も営まれていますね。以前の事務所&本屋さんにお邪魔した時に、すごくユニークで素敵だなぁと思ったのと、壁一面に並ぶ建築関係の書籍や写真集などの中にいくつかの絵本を目にした覚えがあります。打ち合わせもあったので手には取れませんでしたが、あれはどんな絵本だったのかなと。

そこで質問です。
岡田先生がこの冬に読むならどんな絵本ですか?
またその絵本を読みながら飲むとしたらウチのどのお酒でしょうか?

寒い冬をあたたかく過ごすきっかけに是非教えてください。また今年の冬は例年より寒くなりそうだと聞きました。お忙しいこととは思いますが、どうかお身体ご自愛ください。

敬具
松瀬酒造株式会社 原 一成


 

>>> 岡田先生からの手紙

拝啓
秋が深まってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。大変ご無沙汰しております。前回のパッケージのデザインのお仕事は私たちにとっても、大変刺激となりましたし、いろいろと勉強させていただきました。

コロナで大変な世の中になってしまいましたが、少しずつ京都の街中も人が増えてきて、わたしたちも粛々と日々、建築のお仕事をさせていただいていること有難く感じています。書店のほうもお陰様で、小さなお店にもかかわらず、いろいろな方が足を運んでくださっています。

さて、「この冬に読むならどんな絵本ですか。」とのご質問、書店に並べている絵本の中で、お酒を飲む時間帯の「夜」をテーマにして、いくつか選んでみました。

一冊目は、「夜の木」。インドのチェンマイにあるタラブックスの絵本です。一冊ずつ手刷りのシルクスクリーン印刷で、絵本というより額にいれて飾りたい絵画のような絵本です。 手に取って選んでいただく本だからこそ、製本や印刷の質感などにはこだわって本をセレクトしていますが、その中でもうちの店では定番本としていつも書店に並べています。

二冊目は、「繪本 シェイクスピア劇場」。シェイクスピア戯曲の名場面を安野光雅が描いています。絵本といいながら、シェイクスピアの全戯曲のあらすじを読んで楽しめる素敵な本となっています。

最後にご紹介するのは、「夜の絵」。村山亜土の文章に、柚木沙弥郎の布のコラージュが、創造を広げさせてくれます。私家本として刊行されたため、幻の名作となっていた本書を限定復刊させたもの。切ない話が心に染み入る感じがします。

ご紹介した本はどれも、大人の絵本です。大人の絵本は、一人でゆっくりとした時間に楽しむものだと思います。美味しい日本酒も私はできれば、一人で楽しみたいタイプ。

先日、錦市場の酒屋さんで、松の司のお酒を買いました。お店の方から、「これが一番美味しいですよ。」と勧められたのは、竜王産の山田錦の純米大吟醸でした。

「とっておきの一本を一人で飲む時間を年末までに作る。」というのが、今の私の目標です。もうすぐ師走。原さんもお酒造りでお忙しい時期ですね。そんな優雅な年末をお互い過ごせることを祈りつつ、コロナに負けないように頑張りましょうね。では。

敬具
Space Clip 岡田 良子


素敵な絵本を三冊ご紹介いただき、それぞれの写真も送ってくださいました。

一冊目の「夜の木」は以前何かで知ってすごく気になり、Webで調べて買おうと思ったら売り切れ。それからずっと僕の心に引っかかっていた絵本です。こんなかたちで再会するとは・・・。まさか岡田先生のところにあるなんて・・・。しかも定番本とのこと、必ず買いに伺います。

あとの二冊「繪本 シェイクスピア劇場」「夜の絵」もとても美しい絵本ですね。実際に手にとって一つ一つページをめくりながら、文章と絵にどっぷり浸ってみたい本たちです。

みなさんも「純米大吟醸 竜王山田錦」と大人の絵本を片手に素敵な冬の夜をお過ごしてみてはいかがでしょうか。

岡田先生、ありがとうございました。

カテゴリー:with matsunotsukasa

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