創業万延元年 松の司

創業万延元年 松の司

里芋のソテー
酒粕豆乳クリームソース
with 松の司 純米酒

里芋のねっとりした食感に
コクのある濃厚クリームソースがよく合います。

材 料(2人前)

里芋 2個
少々
白胡椒 少々
米粉 小さじ1
小さじ1と1/2
酒粕 小さじ1
豆乳 150~200ml
コリアンダーシード(パウダー) 少々
パクチー(お好みで) 1枚

作り方

  1. 1.里芋はよく洗って皮を剥き、1cmの厚みに切ってバットに並べる。
  2. 2.1の両面に塩胡椒を振って下味を付ける。
  3. 3.2の両面に米粉をまぶし、余分な粉ははたいておく。粉は後でソースに使うので残しておく。
  4. 4.よく熱したフライパンに油を入れて弱火にして3の里芋を並べ、蓋をしてじっくり揚げ焼きにする(片面あたり3分程度)。
  5. 5.竹串を刺してみてすっと通ったら火を止め、フライパンから里芋を取り出してお皿に並べる。
    ※もし焦げ目がついていなかったら火を強めて軽く焦げ目を付ける。
  6. 6.里芋を取り出したらすぐに熱々のフライパンに酒粕を入れ、木べらで油となじませるように混ぜる。
    ※フライパンが冷めると酒粕が底にくっつきやすいので、必ずまだ熱いうちに酒粕を入れる。パチパチと酒粕がはねるので注意。
  7. 7.パチパチが収まり、酒粕と油が馴染んできたら弱火にかける。
  8. 8.酒粕の香りが飛び、油と馴染んで酒粕が分離してきたら3で残った米粉を加えて、粉っぽさがなくなるまで手早く混ぜる。
    ※酒粕のアルコール分をしっかり飛ばし、旨味と風味だけを残す。
  9. 9.粉っぽさがなくなったら豆乳を少し(大さじ2程度)加え、手早く混ぜる。最初は分離しているが煮詰まると同時にまとまってくるので、まとまったらさらに豆乳を少し加え混ぜ、馴染んだら豆乳を加え、を繰り返す。
    ※ダマになっていても気にせず煮詰めながら根気よく混ぜて馴染ませる。一気に豆乳を加えると混ぜるのが大変なので少しずつ。
  10. 10.軽く煮立たせ好みの硬さになったら火から下ろして塩胡椒をして少し濃いめに味を調える。
  11. 11.10を5の里芋の上にかけ、コリアンダーパウダーをふり、パクチーを添えたらできあがり。

コツ・ポイント

①感覚をフル活用する。味見をしっかりする。
今回のレシピの要は酒粕豆乳クリームソース。酒粕の匂いの変化、状態の変化、最後のとろみは使う素材によって異なるため自分の感覚を頼りにしながら調理して下さい。
ソースの煮詰め具合で必要な塩の量は異なるので、ソースの硬さを決めたらおいしいと思うところ(少し濃いめ)まで味見をしながら塩を加えて味を決めて下さい。
②塩は自然塩を。
ソースの味の決め手は最終的に塩にかかっていると言っても過言ではありません。
生成された塩化ナトリウムではなく、海塩や岩塩などミネラル豊富で味に層がある塩を選ぶと料理の味が決まりやすくなり、また体にもやさしい。
③豆乳は濃いものを。
市販の豆乳でも美味しく作れますが、お豆腐屋さんの豆乳の方が自然なとろみでダマになりにいので失敗せず、大豆のふくよかな甘みがより一層純米酒の甘みと調和するのでおすすめです。

フードスタイリング担当
木下実験室さんからのコメント

木下実験室より:
今回のお酒は松の司純米酒。一番スタンダードな、日常のお酒です。
松の司の純米酒の一番の特徴は、味のひろがりと丸み。
そこに合わせたのが、里芋のねっとり感と、酒粕豆乳クリームソースの濃厚なコクとぽってり感。里芋のねっとり感、火を通した酒粕のコク、豆乳の持つ自然なふくよかな甘み、米粉のとろみが、純米酒の持つ丸みと一体となって口の中に広がり、トッピングのコリアンダーシードが爽やかに駆け抜け、ついついお酒が進む一品になっています。
酒粕豆乳クリームソースは、粕汁などのように酒粕の香りはしないため、酒粕が苦手な方も食べられ、グラタン・クリームコロッケ・パスタなどアレンジ自在の万能ソース。
手順は簡単なのですが、少しコツが要ります。
何よりのポイントは、酒粕の水分とアルコール分をしっかり飛ばしきること。鼻をよくきかせて匂いの変化を感じながら作って下さい。
また、酒粕はフライパンにくっつきやすいですが、フライパンがよく暖まった状態で酒粕を入れると、鍋底にくっつくことなく油と馴染ませることができます。
里芋は、ねっとり系とほくほく系と分かれます。どちらかというとねっとり系の方が今回の純米酒には合うようです。いろいろ試してみてください。軽く焦げ目をつけると味に輪郭が生まれるのでさらに美味しいです。
そしてこのレシピのアクセントになっているのがコリアンダーパウダー。
スパイスカレーに欠かせないスパイスのひとつで、パクチーの種でもあります。
パクチーの種ではあるのですが、パクチーの香りはせず、柑橘や桃のような爽やかな香りを持ったスパイスで、最近ではクラフトビールやチョコレートにも使われたりしています。
酒粕豆乳クリームは重厚感のあるソースなので、コリアンダーパウダーの爽やかさが全体を軽やかに仕上げて、純米酒と合わさると最高の余韻が楽しめます。ちょっと多いかな、というくらいにたっぷりと振りかけるのがおすすめです。
<木下実験室さんのプロフィール>
食べることで自分も景色の一部になる、今の畑の景色をそのままつめこんだヴィーガン無国籍料理。主役になるのは自家製テンペと、土にびわこにやさしい方法で育てられたお米や大豆や野菜と畑の傍らで自由に育つ野草たち。食べると細胞たちが静かに騒ぎ出し、なんだか鼻唄を歌いたくなる、そんなごはんを目指して作っています。
●木下実験室さんのfacebookページ
●木下実験室さんのInstagram
SPECIAL THANKS to Local Organic Farmers
○里芋(うーはん)—野菜と旅するさん(東近江市・愛東町)
○米粉—ショップマドレさん(近江八幡市・安土町)
○圧搾絞り菜種油(菜ばかり)—NPO愛のまちエコ倶楽部さん(東近江市・愛東町)
○豆乳—あやべとうふ店さん(長浜市)
with
○酒粕—松の司
○パクチー・コリアンダーシード—木下実験室

今回のお酒松の司 純米酒
松の司の定番純米酒です。
まず感じるのは米や白玉のような温かみのある香り。
おだやかな甘みや酸とともに口の中で丸くやわらかく広がる味わいに、気持ちがゆったりと弛緩します。後味はわりとドライでキレがあり、すぐに次の一杯が欲しくなること請け合いです。
今回の料理以外にも、豚のロースやイカの刺身など自然な甘みがあってゆっくりとした味のものによく合います。煮物などとも相性が良いのではないでしょうか。冷やから熱燗まで料理の温度にそわせて幅広く楽しんでみてください。

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